〜ベトナムの合掌造り〜 ロン家屋を見に行く

◆ 3日目 ◆


 ■ コントゥム市場

7:00
ホテル裏の市場に行ってみました。
市場の建物周辺の道路にはたくさんの露店が軒を連ね、その間をバイクに乗った客が行き交っていました。



コントゥムの台所と言ったところでしょうか。



市場の建物の中です。
食肉やグロテスクな魚が豊富に売られています。


 ■ バイクタクシーの交渉

市場の屋台でバインミーの朝食をとり、今回の旅の目的であるロン家屋≠見に行きます。
ロン家屋はコントゥム近郊に住むバナ族の伝統家屋で、各村に一つある集会所のようなものです。

ロータリーにいたバイクタクシーのおじちゃんに交渉をしましたが、英語はまったく通じません。
「ロン・ハウス」 と言っても 不思議な顔をするだけです…
そこで、インターネットから打ち出したロン家屋の写真を見せると、
「オー! ニャ・ロン」 と言って理解してくれました。
さらに地図を見せたり、身振り手振りを駆使し、近郊のバナ族の村々を巡って欲しい旨を何とか伝えることができました。
正午までの4時間で40万VND (約2,000円) で料金交渉も成立です。
長時間の移動になることで、まずはガソリンスタンドに行って満タンにし、その後、町の中心にあるバイタクのおじちゃんの家に寄り、水と予備のガソリンをバイクに積んで出発しました。


 ■ ロン家屋 (バナ族の村巡り)

8:00
最初に訪れたのは町の東外れ、吊り橋のたもとにあるロン家屋です。
敷地は柵で囲われており、門には鍵がかかっていて中に入ることができません。
バイタクのおじちゃんが言うには、道路の向かいにある家の人から鍵を借りることができるそうですが、あいにく出掛けていてしばらく戻ってこないとのことです。
「待つか?」 と訊かれましたが、ここは先に進みます。



次に訪れた村のロン家屋は、屋根がトタンでできていました。
見るからに新しそうでした。



こちらはかなり古そううなロン家屋です。
家屋の下の日陰に座っていた村人たちが、「中もどうぞ」 と言ってくれました。



中は教室のようになっていました。



屋根の内側は、柱や梁が複雑に交差しています。



高床式になっているのは、猛獣から家屋を守るためだとか…



壁の膨らみや屋根の傾斜には意味があるそうです。
バイタクのおじちゃんが一生懸命にガイドをしてくれましたが、ベトナム語なのでほとんど理解できませんでした。



ロン家屋のすぐ隣で、結婚式の準備をしていました。
村人が結婚をするようです。



ロン家屋は保育園でもあるようです。



ロン家屋を模した教会もありました。


 ■ 仙人の家

9ヶ所の村 (ロン家屋) を巡った後、休憩のためにうっそうとした林の中にある一軒家を訪ねました。
屋外に壺や銅鑼、木彫りの人形などが無造作に置いてありました。
「何だここは?」



赤いシャツの仙人のような人がここの住人です。
彼はバナ族の民族楽器である銅鑼や、民芸品の木彫り人形を作っている人でした。
その道ではかなりの有名人のようで、バナ族のことを何でも知っているような方でした。
私が日本からやって来てバナ族の村を巡っていることを知ると、たいそう喜んで民族音楽の演奏でもてなしてくれました。
さらに、お茶を出してくれたり、壺に入った怪しげな酒をふるまってくれました。



庭にはミニチュアのロン家屋がありました。
30分ほど休憩をさせてもらい、再びロン家屋巡りの再開です。



仙人が勧めてくれたクリ村 (Kon K'ri) にある美しいロン家屋です。



これまで巡った村のものと比べ、屋根が大きく、そのフォルムも実に美しいものでした。



壁と屋根の膨らみもよく分かります。



屋根が大きい分、梁も見事に入り組んでいます。



村の真ん中にたたずんでいました。



さらにバイクで川沿いを行き、クトゥ村 (Kon K'tu) に着きました。
仙人イチオシの一番美しいロン家屋です。
屋根の高さが17〜18メートルもあるそうです。



どこから見ても美しいフォルムです。



いや〜、実に美しい…



ロン家屋の中にはホーチミン氏の写真と、認定書のような額縁がたくさん飾られていました。



ロン家屋に見とれていたり、写真をバシバシ撮っていると、村人からは奇異の目で見られました…
「この外国人は集会所なんか見て楽しいのか?」 とでも言いたげに…



広場の一角には教会もありました。
こんな辺鄙な村にしては、なかなか立派な教会です。



さらに他の村のロン家屋を巡りましたが…



クトゥ村のロン家屋を見た後では、どれもが陳腐な感じがしてしまいました。
15の村を巡り、15のロン家屋を見て、正午過ぎに町中のロータリーに戻りました。


 ■ インドシナホテルのカフェ

12:45
コントゥムの町で一番の高級ホテル・インドシナホテルに併設されたカフェに行きました。
有名なデザイナーが設計したようで、柱が印象的なカフェです。
ゆったりとお茶をしていると、空に黒雲が広がり、スコールが降り始めました。



14:00
スコールが止んだので、昼食を求めて市場の方へ行ってみました。
しかし、市場はすべて店仕舞いをしており、食事ができる店はありませんでした。
キリスト教会の多いこの町ですが、中国風の寺院もありました。



やっと見つけた屋台で 「揚げおにぎり」 を食べました。
おにぎりを油で揚げ、ピリ辛のこんぶのようなものが挟んでありました。
少々油っこかったですが、なかなかの美味でした。 1個3千VND (約15円)

15:30
ホテルに戻ってシャワーを浴びて身支度を整えました。

18:15
ホテルをチェックアウトしました。
この時間なので1泊分の支払いは覚悟していましたが、1泊分の 1/3 である10万VND (約500円) でOKでした。


 ■ 寝台バスでダナンへ

18:30
バイクタクシーでバスターミナルに着きました。



バスターミナルの隣には数軒のバラックの食堂がありました。



適当に鍋と食材をゆび指し、待つことしばし…



肉の塊がドンっと入ったフォーがきました。
美味い!



アイスベトナムコーヒーも頼みました。
フォーと合わせて4万VND (約200円) でした。



ダナンに向かう寝台バスです。
靴を脱いで乗り込みます。



3列の2段ベッドで、シートはほぼフラットにすることができます。

20:00
満席のバスは定刻どおりにコントゥムを出発しました。





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