信越線の廃線跡 (熊ノ平〜横川) はアプト道と呼ばれるハイキングコースになっています。
鉄道遺産が多数残るこの道を、高崎駅から横川行きに乗って訪ねました。
朝の信越線は通学の高校生がたくさん乗っていました。
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横川駅
信越線は1997年、新幹線の開業と同時に横川〜軽井沢間が廃止になり、この先の線路はつながっていません。
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横川駅から先は軽井沢に向けて急勾配を登るため、アプト式と呼ばれる線路にギアのある特殊な鉄道が走っていました。
アプト式の模型が横川駅にありましたので、まずはアプトについての基礎知識を学びます。
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車輪には線路のギアに噛み合う歯車が付いています。
高崎方面からやってきた電車は、この特殊な車輪の付いた電気機関車に押されて山を上り下りします。 |
横川の駅前は閑散としていました。
ここから先のバスはありません… (バスは夏期のみ)
タクシーを呼んで 旧・熊ノ平駅 に向かうことにしました。
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タクシーで15分ほど山を登り、旧・熊ノ平駅の入口に到着です。
タクシー料金は 2,620円でした。
旧・熊ノ平駅へはこの階段を昇ります。
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旧・熊ノ平駅です。
横川−軽井沢間で唯一の平坦地だったここは、信越線が単線だった時代に列車の交換をおこなった場所です。
昭和41年に複線化されたため、この駅はその役目を終えました。
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線路や架線がそのまま残されていますので、今にも列車がやって来そうです。 |
アプト式開通の碑です。
横川駅からは66.7%という急勾配だったため、明治26年にアプト式が開通しました。
しかし、電車の性能が向上したために、昭和38年にアプト式は廃止になりました。 |
旧・熊ノ平駅構内にあった変電所跡です。
窓ガラスが割れて廃墟と化していました。 |
明治時代に掘られたレンガ造りのトンネルが遊歩道になっています。
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トンネルの中は照明もあり、足元も整備されているので歩きやすかったです。 |
小さな橋梁をカルバートと呼ぶそうです。
横川−軽井沢間には21のカルバートがあるそうですが、そのほとんどが改修され、唯一原型を留めているのがこのカルバートだそうです。 |
冬眠明けのクマは怖いですね…
出没しませんように!
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でも、出没したのは野猿の大群でした…
猿はみな大人しく、威嚇されるようなことはありませんでした。 |
途中で地上が見えるトンネルもありました。
この穴は排煙口だそうです。 |
5つのトンネルを抜けると、旧国道18号線が見えました。 |
旧・熊ノ平駅から30分ほどで、アプト道のハイライト・めがね橋 (碓氷第3橋梁)
に到着しました。
道路工事中で写真が少々撮りにくかったです… |
200万個のレンガを積み上げた、高さ31m、長さ87.7m の 4連アーチ式橋梁です。
国の重要文化財に指定されています。 |
現代のような重機の無い時代、しかもこんな山奥にこれだけの物を造るなんて、まさに感動ものです。 |
めがね橋の上からは、複線化された新線の橋梁が眺められます。
もちろん新線も今では廃線です。
その先の山の中に新幹線が走っているそうです。 |
碓氷湖が眼下に広がりました。
周囲1.2kmの人造湖です。 |
右のケモノ道みたいなのが旧中山道です。
この道は意外と整備されていて、市民マラソンが開かれるそうです。 |
めがね橋から30分、アプト道にあった看板に誘われて… |
創業250年以上の 玉屋(ドライブイン) です。
横川から乗ったタクシーの運転手さんもおすすめの茶店です。 |
上品な甘さの力餅で、意外にもコーヒーと合いました。 (コーヒーセット 600円) |
力餅のすぐ近くにある 「峠の湯」 という温泉施設でひと風呂浴びます。 (3時間
600円 タオル 250円) |
風呂上がり、「上州もつの煮込み」 をつまみにビールで喉を潤しました。
プハ〜ッ! 至福のひととき〜☆ |
横川 (鉄道文化むら) から峠の湯まではトロッコ列車が走っていますので、アプト道はここから先、その線路に沿って進みます。 |
アプト道の路面には線路が埋まっていました。
ちょっとイヤになるほど長い直線道路です… |
峠の湯から15分
旧・丸山変電所は明治44年に建てられた変電所で、機械室棟と蓄電池室棟の2棟が国の重要文化財に指定されています。 |
旧・丸山変電所から20分ほどで 碓氷関所跡に到着しました。
ここは箱根の関所と並ぶ 日本三大関所の一つだそうです。 |
「碓氷峠鉄道文化むら」 が見えたらアプト道は終点です。 |
鉄道資料館の中にあるジオラマです。
ただ単に模型列車が走っているだけではなく、かつての碓氷峠越えの様子を解説とともに知ることができます。
右上に小さく見えるレンガの橋が めがね橋です。 |
横川駅まで戻ってきました。
駅前には 「峠の釜めし」 おぎのや本店がひっそりとありました。
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(終)
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