01 経由便のメリット |
今回の旅に利用した飛行機は日本航空。 いつものノースウエストが満席だったので仕方なくJALにした。 しかし、機内食は美味しく、サービスは満点。トイレには歯ブラシが常備されていたり、ビンゴ大会などもあって、さすがは日本が誇る航空会社だと感じた。 妻:「ミルクを頼んでもビールが出ないのが最高にいいわよね〜♪」(2003年旅行記参照) と、妻も大喜びである。 だが、満席だったのはノースウエストだけではなく、このJALも満席… いや、それ以上だったのだ。 出発の一週間ほど前に電話があり、「オーバーブッキングしたのでコナ(ハワイ島)経由に変更して欲しい」と言われた。 どうせ初日は時差ボケでボーッとしているだけだし、それなりの返金もあるとのことで、ホノルル直行便ではなくコナ経由で行くことにした。 結果として、コナ経由で行くほうがホノルル直行便よりもいいなぁ〜 と思うところがあった。 まず第一に、機内が静かである。 小さな子供を連れた家族が多いのがホノルル直行便の特徴だが、ハワイ島は大人のリゾートなのでこれらの乗客が少ない。よって、睡眠中に子供の泣き声で起こされることがない。 機体はジャンボではなくDC−8を使用しているが、満席ではないので座席に余裕があり、運が良ければ2つのシートを使って眠ることができる。 次に入国が楽である。 コナ空港は国際空港と言えどもローカル空港並みの規模なので、飛行機の離発着もほとんど無く、入国審査に数時間も待たされることがない。 しかも、このままホノルルへ向かう乗客は乗り継ぎ時間が限られているので、列に並ばずに優先的に入国審査が受けられるのである。 東京ディズニーシーの“ファスト・パス”のように… 入国審査やセキュリティーチェックも“やさしい”感じがした。(気のせい?) 妻:「今年はハワイ島にもいったのよ〜 って言えるね (^o^)」 と、ちょっと自慢できるのもメリット… かな??? |
02 火山熱!? |
コナは暑い! 溶岩の中にコンクリートを流し込んだ空港に到着した我々は、タラップを降りて空港ビルまで滑走路を歩かされた。 とにかく暑い! 機内との温度差にメガネが曇る。 現地の係員は大きなパラソルをさして我々を誘導しているが、やはりかなり暑そうだ。 わずかの距離に大量の汗をかき、サーカス小屋のようなテント張りの入国審査場に到着。 室内が寒い! これでもかっ! と言わんばかりに冷房がギンギンに効いている。 とにかく寒い! 外との温度差にメガネが曇る。 こんなに外と中の温度が違うと体調を崩してしまいそうだ。それでなくとも風邪をひいていると言うのに… 妻曰く、 妻:「ハワイ島はね… 火山の熱で暑いのよ〜」 …って、それホント? |
03 “うどん”没収! |
成田空港にて、 妻:「ねーねー、カップラーメンってハワイに持ち込めないみたいよ…」 ぽ:「へっ? なんで?」 妻:「張り紙に書いてあったよ〜」 ぽ:「どこの?」 妻:「さっきのカウンターの所よ」 我が夫婦のハワイ旅行はいつも食料持参で、旅行中のほとんどの食事が自炊である。 米やそうめん、スパゲッティー、そば、そして妻の大好きな“うどんのカップ麺”も含まれている。 持ち込み禁止の説明は、航空会社のチェックイン・カウンターに小さく表示されていた。 それを読むと、要旨はこうだった。 @カップ麺は税関申告の対象 A申告しないで持ち込むと、高額の罰金が科せられる B申告しても手続きが面倒なので持ち込まないほうが良い あっちゃぁ〜〜〜! もうすでに時遅し! 食料は機内預けの荷物の中だ。 ぽ:「気付いたらすぐに言えよな〜!」 妻:「ごめんちゃい! 私たちには関係無いかなぁ〜って思ったから…」 まぁ、ここで妻を責めても仕方ない。 機内で税関申告書が配られた時に、フライトアテンダントに尋ねた。 ぽ:「あの〜 カップうどんも申告するんですよね?」 ス:「え〜っと… それは何味ですか?」 ぽ:「あ… 何味って… ん〜 醤油味?」 ス:「……具は?」 ぽ:「きつねうどん… だから… 油揚げです…」 ス:「ん〜・・・ それはダメです…」 ぽ:「ダメって?」 ス:「ダメなんです」 ぽ:「…んじゃ、どうなるの?」 ス:「空港で没収されます」 やむなく税関申告書にはしっかりと「食物の持ち込み・Yes」にチェック。 それを見たコナ空港の税関検査では呼び止められ、そして質問を受けた。 税:「たべものは なにを もってますかぁ〜?」 ぽ:「ヌードル… ジャパニーズ・ウドン」 税:「う・ど・ん? ん・・・ なに あじ ですかぁ〜?」 ぽ:「…ソイ・ソース アンド あぶらぁ〜あげぇ…」 そして付け加えた。 ぽ:「バット ノーミート、ノーミート、なんなら現物を見せようか? ノーミート!」 思い切り“ノーミート”(肉なし)を力説。 すると係官は少々困った表情をした後に、「通過していいぞ」と指でサインを出してくれた。 結局、うどんは没収されることなくハワイに持ち込めた。 「もしかして食肉の規制なのかな?」と思っていたので、ダメもとで“肉なし”を強調してみたのだ。 それが功を奏したのか、それとも厄介な日本人の相手をするのが面倒だったのか、正式な申告で課税も没収も免れたのであった。 妻:「わ〜い! わ〜い! 私のうどんは無事だったわぁ〜」 無邪気に喜ぶ妻であった。 |
04 キー・イン・ザ・カー! |
自動車運転暦が25年近くあるのに、キーを車内に閉じ込んでしまうなんて初めてのことだった。 しかも、それが海外でなんて… 早朝のダイヤモンドヘッドの駐車場は、車もまだ少なかった。 この広い駐車場でレンタカーの写真を撮っておこうと、駐車スペースの半端な位置に車を停車させ、エンジンをかけたままカメラだけを持って車外に出た。 カメラのフレームを覗くと、助手席の妻がちょっと邪魔だ… そこで妻も車から降りてもらい写真を撮った。 さて、車をちゃんと駐車させようと、ドアを開けようとしたが全く開かない。 慌てて助手席側に廻ってみたが、こちらもしっかりとロックされている。 後部ドアもトランクも… サーッと血の気が引いた。 無駄なこととは思ったが、手のひらをべったりと窓に押し当ててガラスを下げようと試みたが、窓は頑として動こうとはしなかった。 困った………… 50メートルほど離れた所に、駐車場の料金所のおじさんの姿が見えた。 そこまで走って行き、助けを求めた。 ぽ:「Help me! キー・イン・ザ・カー! ドント・オープン・ザ・ドアー! しかも、エンジンがブルンブルン! アンド・半端なプレイスにストップ・ザ・カー!!」 “キーの閉じ込み”を英語で何と言うかなんて知らない。 しかも、状況を説明するにも、パニック状態で言葉が出てこない。 一生懸命にジェスチャーを交え、思いつく単語を並べて説明すると、料金所のおじさんは状況を理解してくれた。 おじさんは冷静にレンタカー会社の電話番号を、番号案内で調べてくれた。 しかし、案内された番号はフリーダイヤルで、おじさんのいる料金所の電話からはかけられないとのことだ。 おじさんは「助けてあげたいが自分はここを離れることができない」と言いながら、メモに英語を書いて渡してくれた。 そこには公衆電話の使い方とレンタカー会社へ伝える内容が、丁寧な活字体で書かれてあった。 そして、電話代として25セント硬貨2枚を自分の財布から出し、それを貸してくれたのだ。 料金所の反対側で、200メートルほど離れた登山道の入口に公衆電話があった。 メモに書いてあるとおりに電話を操作し、レンタカー会社の係員に事情を説明した。 なんとか状況は伝わったようだが、その先の会話は捲くし立てられるような早い英語で、何を言っているのかサッパリ解からない。 ぽ:「ウエイト! ウエイト! アイ・アム・ア・ジャパニーズ。アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ! キャン・ユー・スピーク・ジャパニーズ?」 係:「Oh! Are you Japanese? Well… OK! Just moment!」 しばらくそのまま待たされた後、電話に同時通訳の女性が割り込んできて、3者通話始まった。 通:「キーを閉じ込んだんですね? 車を借りた時にもらった契約書の番号を言って下さい」 ぽ:「いや〜、荷物はすべて車の中なんです〜」 そして、通訳とレンタカー会社の係員がしばらくやりとりをする。 通:「では、クレジット番号の下4桁を言って下さい」 ぽ:「それも、車の中です」 また、通訳とレンタカー会社の係員がしばらくやりとりをする。 通:「なら、免許証番号を言って下さい」 ぽ:「だからぁ〜 それも車の中なの!」 そしてまた、通訳とレンタカー会社の係員がしばらくやりとりをする。 受話器の向こうでは、レンタカー会社の係員が時折 「Oh! No!」 と叫んでいる。 ぽ:「あの〜 お取り込中なんなんですが… とにかくこっちに来て下さい。車の中に本人確認できるものがいくらでもありますから…」 またまた、通訳とレンタカー会社の係員がしばらくやりとりをする。 こんな会話を延々と30分ほどし、最後にこう言われた。 通:「ではこれから救援に向かいますが、この件に関してはあなたが全責任を負いますね?」 ぽ:「はぁ〜? それってどういう意味ですか?」 通:「つまり… レンタカー会社を相手に訴訟を起こしたりしませんね ってことです」 ぽ:「訴訟!? たかがキーの閉じ込みで、そんなことしませんよ〜」 通:「誓いますね?」 ぽ:「誓う、誓う! 「私が悪うござんしたぁ!」って伝えて下さい」 通:「では、40分ほどで向かいます」 そして、やっと救援に来てもらうことになった。 駐車場には観光客の車が続々とやってきた。 邪魔な位置に停まった車に怪訝そうな顔をして、彼らが通り過ぎる。 「どうしたの?」と英語で声をかけてくれる人も何人かいた。 ジェスチャーで車内のキーを指差すと、「電話はしたの?」と一応は心配をしてくれた。 1時間ほど経過した。 一台のタクシーがキョロキョロしながら駐車場にやってきた。 そして我々の車のナンバープレートを確認すると、全開の窓から大きく身を乗り出して、大笑いをしながらスペアキーを振った。 てっきりJAFのような人とか、レンタカー会社の人が来ると思っていたのだが、タクシーにキーを預けて届けさせたのだった。 スペアキーにはメモ用紙が付けられていて、そこには駐車場の場所とプレートナンバー、そして名前、さらに「He need key!」と殴り書きがされてあった。 ホノルル空港で車を借りたので、そこの営業所からの往復タクシー代($60)とチップを支払い、2時間ぶりに車のドアが開いた。 料金所のおじさんにコインを返し、丁重にお礼を言ってダイヤモンドヘッドを後にした。 帰国日にレンタカーを営業所に返却した。 スペアキーをフロントに返すと、 係:「あ〜、あんたね? 閉じ込みしちゃったっていう日本人は!」 ここでも大笑いされた。 |
05 見えない花火 |
今年のハワイ旅行もちょうどアメリカ独立記念日にあたった。 その日は朝からどことなくお祭り気分で、小さな星条旗を掲げた車が町を走っていた。 夜には記念の花火大会が予定されており、ホノルルっ子たちの楽しみでもある。 夕方に買い物へ出掛けた我々に、店員たちは 店:「花火は見にいかないの?」 と口々に訊いてきた。 ある店員は、 店:「ワイキキビーチには夕方から場所取りの人たちで混んでたわよ。 早く行かないと良い場所で見れないわよ」 と、本人も仕事を投げ出して、すぐにでもビーチに行きたい気分のようだった。 その言葉に促されるように、我が夫婦も早めにビーチへ向かった。 ビーチには大勢のロコたちや観光客が、ゴザを敷いて花火の始まりを待っていた。 我々もその中に混ざり、後ろの方だが浜辺に立って待っていた。 しばらく待っていると、やっと定刻になった。 「ドド〜〜〜ン!!」 大砲のような轟音が夜空に響き、ビーチには歓声が上がった。 だが…… 皆、キョロキョロしている… 音はすれど姿は見えず… ある一人が大声を上げ、西の空を遠く指差した。 そこには、ビーチに面した巨大なホテルが暗闇に浮かんでいた。 次の瞬間、ホテルの背後の空が鮮やかな青や赤に光り輝いた。 花火の大輪はホテルが邪魔でまったく見えず… 空だけが鮮やかな色に染まるだけだ。 例年はワイキキビーチでおこなわれる花火が、今年は遠く離れた別の会場でおこなわれたのだった。 ビーチにいた大勢の観客はそそくさとゴザを片付け、笑いとともに散って行った。 日本なら散々待たされた挙句にこの始末では、怒る人もたくさんいるはずだ。しかし、流石はのんびりとしたハワイのロコたち… 怒るどころか陽気に大騒ぎをしながら帰って行った。 ロコたちの勝手な思い込みがいけないのかもしれないが、ホノルル市はもっとPRをして欲しいものだ。 ド〜ン ド〜ンと音だけが響く夜の町に、再び買い物に戻る我が夫婦であった。 |
06 魅惑のロミロミ体験 |
「ロミロミ」なるものを体験した。 これはハワイの伝統的なマッサージで、ここ最近、観光客に人気を呼んでいる。 そこで、我々も行ってみることにした。 妻:「やっぱ有名店がいいわよね〜」 と値段のことも気にせずに、ミーハー雑誌に紹介されていた高級ホテルのヒルトン内にある店を予約した。 店:「予約時間の30分前には来て下さい。遅刻するとキャンセルになりますが、料金は全額いただきますので…」 かなりタカビーだ。 遅刻しては大変!と、JTBの無料バスに乗り、高級ホテルに向かう。 本来ならリムジン・タクシーで行きたい気分だったが、変なとこをケチってしまう我が夫婦なのだ。 受付カウンターで名前を言うと、男女別になったロッカールームに連れて行かれた。 ここで妻とはいったんお別れ。 中に入ると、「バスローブに着替えてシャワーを浴びろ」と言われた。 ぽ:(ゲッ! またシャワーかよ…) 実は我が夫婦、「失礼があっちゃいけない!」と、ここに来る直前に部屋でシャワーを浴び、念入りに体を洗ってきていたのだ。 でも言われたことに従い、再びシャワーを浴び、ミストサウナやジャグジーで心と体をリラックスさせた。 約30分ほどくつろぎ、バスローブのまま店員に連れられ、エレベーターに乗ってひとつ下の階へ移動。 サロンのような場所でゆったりと待つことしばし… やって来たのはハワイ人の細身の男性。 彼は自己紹介をすると自分を個室に案内した。 部屋はほのかな明るさの照明とお香の香り。 心和やかになる空間だ。 ベッドに横たわると、やさしく体を揉みほぐしていく。 足先から腰、背中、そして全身へ… あまりの気持ちの良さに、途中からウトウト… 1時間のコースなのだが、あっと言う間に過ぎてしまった。 まさに極楽気分であった。 サロンでティーを飲んで待っていると、妻も終わってやってきた。 彼女はロミロミではなく、「フェイシャル・コース(美顔コース)」を受けていた。 太めのおばさんが妻の担当者で、こちらに気付くと、 店:「Oh! ダーリン! ワイフきれいになったでしょ?」 と片言の日本語で話してきた。 ぽ:「いや、元々きれいですから…」 なんてことは流石に図々しくて言えず、 ぽ:「そっ、そ〜ですね〜」 と答える。 店:「かお、しろく なったでしょ?」 そう言われて薄明かりの中で妻の顔を覗く。 確かに白い。 店:「ビューティフル〜!」 と、太めのおばさんは大げさに付け加えた。 でも、実のところ夫は、 「志村けんのバカ殿みたい〜」 と思ったのだ… この極楽の1時間、一人1万5千円也。 はてさて、これが安いのか否か… |
07 気分はファースト |
JALのファーストクラスではカップ麺が食べ放題なのだ。 そのカップ麺はJALオリジナルで、「うどん」と「そば」がある。 その名も「うどん・で・すかい」と「そば・で・すかい」、 これがかなり美味なのだ。 今回は… いや今回 “も” エコノミークラスなので、このカップ麺を味わうことができなかったが、機内誌にこの通信販売の案内が掲載されていた。 早速、妻の好きなうどんを大量に購入した。 カップはミニサイズで値段は高いが、そんじょそこいらのカップうどんとは味が違う。 妻:「今度ハワイへ行く時は、このうどんを持って行きましょう〜」 ぽ:「え〜また? カップ麺は税関で面倒だよ」 妻:「違うのよ〜 飛行機でお湯をもらって食べるのよ。そしたらファーストクラスに乗ってる気分になれるでしょ〜♪」 ぽ:「あ、あ〜・・・」 何とも安上がりな発想だ… だが妻よ…そのうち料金を払ってファーストクラスに乗せてやるから、そんな寂しいことをするな… |
(完) |
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